オペラの聖地、スカラ座

ミラノにはスカラ座というイタリアを代表するオペラハウスがある。ヴェルディやプッチーニなどの作曲家達が皆ミラノでの公演を目指し留学した場所でもある。この劇場は1778年に完成し、ノルマ、オテロ、ファルスタッフ、アンドレア シェンニエ、蝶々夫人、トゥーランドットなどの名作のオペラの初演を手掛けてきた。トスカニーニが音楽監督を努めたり、マリア カラスがプリマドンナを努めたりといつも話題に事欠かない劇場として注目されてきた。
オペラは1600年にイタリアのフィレンツェで誕生した。イタリアの貴族の結婚式で作られたのが始まりである。当時は神話などを劇として役者が朗唱するセリフの合間に、合唱隊が状況や心理描写を歌い上げる古代ギリシャ劇を再現した簡素なものだったのだが、のちにオペラセーリア(悲劇)オペラブッファ(喜劇)などが生まれて発展した。貴族の宮廷で演奏されるだけだったオペラはのちにヴェネツィアで初めて一般の民衆に公演され、新しい娯楽として人気を博していった。
イタリアオペラ劇団は、ヨーロッパにも演奏旅行にでかけこの新しい娯楽を広めていった。次第に演目がスケールの大きなものや歌い手の高い技術が必要な曲がでてきて、ベルカント唱法といわれる現在のオペラを歌う歌声が産まれた。
イタリアで産まれて、発展したオペラを是非イタリアに行った際には見てほしいものである。
各地には小さな劇場も多くあり、毎日のようにどこかでオペラを公演している。その最高峰はやはりミラノのスカラ座であろう。天井桟敷とよばれる一番天井に近い場所は比較的安値で見ることができる。オペラグラスを持っていけば、歌手の顔もきちんと見えるので、場所を選ばなければ敷居が高いとイメージされるオペラも気軽に聞くことができる。しかし、この場所は実は常連の方が多く一番耳の肥えた人たちがいる場所でもあると言われている。
また、イタリア各地に伝統あるオペラ劇場があり、ヴェネツィアのフェニーチェ劇場やボローニャにあるボローニャ劇場、ローマにあるローマ歌劇場。ヴェローナのアレーナ劇場である。アレーナは夏の時期のみ開催される屋外の古代ローマの円形劇場である。夕刻に日が沈み始める頃に始まる。皆入り口でローソクをもらい、観客皆でローソクの火を灯す。会場がローソクの美しい光で一杯になったらオペラの始まりである。夜空を見ながらのオペラ観戦はまた一興である。忘れてはならないのは座布団のように使えるものだ。昔のままのこの劇場はすべて石で出来ているため、お尻に何かひかなくてては痛くて長時間座っていられない。また比較的カジュアルな雰囲気の劇場であるので、夕ご飯にパニーノなどを開演前に座りながら食べるのもお勧めだ

スカラ座の見学

ミラノのスカラ座に行ってオペラを見たい方はこちらのURLhttp://www.teatroallascala.org/it/prenota/biglietti-tariffe/acquistare/online.htmlからチケットの予約ができます。15日前までに予約すると自宅まで送ってくれるサービスもあります。もしくは、前日までにミラノに着けばドゥオーモの近くにあるビリエッテリア チェントラーレで予約したチケットを受け取ることができます。当日観劇できるようになった場合も直接スカラ座に行けばチケットを買うことができます。

また、時間がなくてオペラまでは見れないという方も併設されている博物館に行くことをお勧めします。というのは、博物館の中にはこのスカラ座の歴史そのものが今も当時のままの形で残されている貴重な資料がたくさんあります。例えばもっともスカラ座が輝きをはなっていた頃に音楽監督をしていたトスカニーニやオペラ好きの人なら誰しも知っているあのマリア カラス、そしてイタリアが生んだ偉大な作曲家ヴェルディやプッチーニの遺品や衣装、楽譜などを見ることができます。また、劇場に隣接しているため、もしもその日リハーサルなどをしていなければ本物の舞台もパルコから見ることができます。また、もっとラッキーであるとリハーサルをしている舞台を当日スカラ座に行って安値でチケットを購入して入ることができます。

本番前のリハーサルを見るのもなかなかできない体験なので、もしそんな日に遭遇したら是非観劇してみるのをお勧めします。

スカラ座博物館のチケット情報

毎日:9時~12時 13時30分~17時
休日:祝日のみ

入場料 6ユーロ

※garino@fondazionelascala.it
こちらのアドレスまでメールしますと、舞台裏に案内してもられますが、料金がコースによって異なりますので、ご注意ください。予約はイタリア語か英語のみです。

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