カテドラルの東にある宗教美術館の北側、アトゥン・ルミヨック(Hatun Rumiyoc)通りにある石壁の中に有名な12角の石があります。アトゥン・ルミヨック通りの名は現代になってから付けられ、ケチュア語で「大きな石」を意味しており、有名な12角の石を記念して付けられたと想像されます。この石造りの基礎は、スペイン人が到着する以前の1350年頃このクスコ王国を支配していたロカ皇帝の宮殿のものであったと言われています。
スペイン人が占領後、いくつもの建築物を建てましたが、大地震がクスコを襲い、それらの建物は壊れたのにも関わらず、インカ時代に作られた石組みの基礎はビクともしませんでした。インカ帝国時代には車輪や鉄器がありませんでしたが、ここまで精巧な石を築き上げたインカ文明の凄さを見てとることが出来ます。有名な12角の石は、幅約1メートルある12角形に切られた巨大な石で、隣接する石とはカミソリの刃も通らないほどピッタリと密着しています。
他にも13角や14角といったものもあります。13角の石は、宗教美術館の反対側の通りにあり、14角のものは、美術館の南西側のエラヘス通りにあります。さらに、インカ時代には動物(蛇など)が神聖視されていたり、日常生活に極めて重要な役割をしていたもの(ラマなど)があったので、その動物のモチーフが石壁に施されています。宗教美術館の周りや、インカ・ロカ通りなど多くの場所でそれらを見ることが出来るので探してみてください。
(写真:トリップアドバイザー提供)
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